今回は、レイブランカのスタイリスト・村川友香(むらかわ ゆか)さんのインタビューを紹介します。美容師を目指したきっかけや接客で心がけていること、得意なスタイル、これからチャレンジしたいことを伺いました。
トレンドの髪型やカラーにしてみたいけど躊躇している方、希望のスタイルをうまく伝えられずに悩んでいる方はぜひご覧ください。
何となく始めた美容師、つらいと感じたことはなかった
―美容師を目指そうと思ったきっかけを教えてください。
きっかけは本当に単純で、高校3年のときに、海外ドラマに出ていた美容師役の人を見て、「かっこいい!」と思ったからです。理学療法士にも興味があって、スポーツトレーナーになりたいなとも考えていました。卒業後の進路を決めるときに「美容師でいいかな」くらいの気持ちで、美容専門学校に行くことにしました。
―専門学校に入学してから、本格的に「美容師になろう」と決めた理由は何ですか?
あまり意識していなかったのですが、今思えば髪を触るのは好きだったのかもしれません。高校時代もはショートヘアだったのですが、自分でカットしていました。
「好きなこと」として自覚してたのは絵を描くことやデザイン制作で、子どもの頃は漫画家になりたいとも思っていましたが、専門学校を卒業するときに「仕事としてできること」として美容師を選びました。課題も無理なく取り組め、美容師として働き始めてからやりがいを感じることが多かったのが理由です。
―レイブランカに入社した経緯を教えてください。
就職活動の時期に、庸子先生(当時社長、現会長・石井庸子、以下「庸子先生」)と知り合いだった担任の先生から「レイブランカを受けてみない?」と声をかけていただいたのがきっかけです。
正直、それまでサロン見学をしたことはあるものの、それほど本気で就活をしていなくて。最悪どこも見つからなかったら、地元の美容室で働けばいいかなぐらいの気持ちでいました。
そんなときに担任の先生から「あなた、庸子先生と合うと思うよ」と言われて、レイブランカの面接を受けることになりました。面接も合否を決める雰囲気ではなく、「空き枠あるから内定出しますね」という顔合わせのような感じでした。気づけば入社から12年が経ちました。
―今まで仕事をしていてつらかった経験はありますか?
正直なところ、つらいと思ったことはほとんどありません。もちろん、練習は大変でした。特に1年目は始発電車で出勤して、先輩たちが来る前に掃除を終わらせる必要がありました。練習できるのは営業時間が終わってからなので、帰りは終電ギリギリになることがほとんどでした。自分の休みの日にも、閉店時間にお店に来て練習をしていました。
でも、体力的なきつさは感じていなくて、むしろ技術的な課題をクリアしていくのが楽しかったですね。同期がいたので一緒に頑張れましたし、他の人が苦労していたスタイリストになるための技術チェックも、私はむしろ楽しんでできました。
最初の頃はシャンプーやカラーの練習を黙々とやる時間が多いのですが、技術チェックはお客様とのコミュニケーションが必要になるので、合格までの道のりを長く感じる人が出てきます。
でも、幸い私はそれもほとんど苦労なくこなせていたんですよね。メンタル的に落ち込むことも、今までほとんどありませんでした。
―メンタルが落ち込まないというのは、村川さんの強みかもしれないですね。
そうですね、常に元気です。もちろんお店に立つときは仕事モードのスイッチを入れていますが、基本的に仕事中もプライベートも、メンタル的にはあまり変わらないです。
人見知りするタイプですが、人と関わるのは好きなので、お客様ともよくお話をします。気分が落ち込んでいるお客様がいらっしゃったら元気にさせたいな!と思いますし、私と話すと元気をもらえると言っていただけることもありますね。
髪だけでなく「お客様の心が元気になる」接客を大切に
―お客様と接するときや、ご提案するときに大切にしていることはありますか?
お客様の髪の悩みに寄り添って、一緒に解決方法を考えていくことを大事にしています。例えば「こんな髪型にしたい!」とお客様から写真を見せてもらって、その方の髪質と全然違う場合こともあるのですが、否定はせず、近づける方法ないかな?を一緒に考えたりします。
なので、次の来店前もお客様のことを考えていますね。次はどうしようかなとか、悩み解決になりそうなことを研究したりもします。ご来店いただいた瞬間以外もお客様に寄り添って、理想の髪型やカラーにしたいなと思っています。
また、美容院から帰った後も、お客様が自分でスタイリングしやすいようなアドバイスをしています。例えば、ドライヤーで髪を乾かすときは、ブラシやコテは使わずに、手でパパッと乾かしてもこうなりますよとか。くせ毛の方には、くせを生かしたスタイリング方法などを提案することもあります。
―レイブランカはトータルビューティーをコンセプトにしています。村川さんが考えるトータルビューティーとは何ですか?
見た目を美しくするだけでなく、心も元気になってもらうことです。プライベートで落ち込んでいるお客様にも、施術中にいろいろ話をすることで、少しでも明るい気持ちで帰ってほしいと思っています。
髪が整うだけでなく、内面もスッキリしてもらえたら嬉しいですね。そのため、シャンプー中はお客様の気持ちのモヤモヤも吸い取るような感覚でマッサージしています。心の状態は雰囲気や表情にも表れるので、トータルでサポートできるのが理想です。
―得意なスタイルや年齢層はありますか?
どんな年齢層にも対応していますが、特にショートスタイルが得意で好きです。自分自身もずっとショートヘアなので、「ここを軽くしたい」「ここが厚ぼったく感じる」といった悩みがすごくよく分かるんです。アレンジの仕方についてもいろいろアドバイスできますよ。
ロングからショートにしたいお客様の場合は、まず「ショートに慣れていますか?」と聞くようにしています。初めてのショートだと不安があったり、セットの仕方に戸惑うことも多いですし、意外とこまめに美容室に通う必要があるんですよね。そういったこともお伝えして、まずボブにしてみましょうかと段階を踏むこともあります。もちろん、話をして「やっぱりショートにしたい!」とおっしゃるなら、その希望に添ってカットします。
常にトレンドをキャッチし、お客様の年齢に合ったスタイルを提案したい
―これからチャレンジしてみたいことはありますか?
ヘアセットのスキルをもっと上げていきたいのと、やっぱりカットが好きなので、トレンドを敏感にキャッチして、流行のヘアスタイルをしっかり再現できるようにしたいです。普段から流行しているスタイルがあれば自分でも試して、「こういう風にするといいんだ」と研究してからお客様に提案しているので、続けていきたいと思っています。
TikTokやYouTubeは、若い方だけではなく、40代50代のお客様もよく見ていらっしゃいます。例えばインナーカラーのように、若者の間で流行になっている髪型を希望される方は多いです。若者に人気の髪型だとしても、その方の年齢に合ったスタイルで提案できるので、常にトレンドにアンテナを張って対応できるようにしておきたいですね。
お客様の中には、20代のモデルさんや芸能人の写真を持ってきて「私もう若くないんですけど・・・」と申し訳なさそうにおっしゃる方もいますが、気になる髪型やカラーがあれば持ってきていただいて全然大丈夫です。
―村川さんが理想とする5年後、10年後の姿を教えてください。
どんなに年を重ねても、美容師はずっと続けていたいです。そして、年を取っても常にトレンドをチェックして、新しいスタイルや若者のニーズにも応えられる美容師であり続けたいと思います。同世代や上の世代のお客様とは一緒に年を重ねつつ、若い感覚を持ち続けていたいです。
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